トナーの使用期限はいつまで?メーカー別の違いと対処法を徹底解説!
トナーの使用期限とは?
意外と知られていませんが、トナーカートリッジの使用期限は一般的に製造からおよそ1年〜2年半とされています。ただし、開封の有無や保管環境によっては、それよりも早く品質が落ちることも。長持ちさせるには、保管場所にもひと工夫が必要です。
今回は、トナーの使用期限の目安やメーカーごとの違い、正しい保管方法などをわかりやすく解説していきます。
トナーの使用期限の基本
トナーにも「使用期限」が存在します。未開封の純正トナーでも、一般的には製造から1年〜2年半が使用の目安とされています。外箱やラベルに記載されていることが多いので確認しておくと管理がスムーズです。
インクカートリッジと異なり、粉末状のトナーは乾燥しにくいという特徴がありますが、長期間放置すると品質が劣化し、印刷にムラが出るなどプリンターに不具合を与える可能性があります。
開封後の期限は?
一度開封されたトナーは、空気中の湿気やホコリの影響を受けやすくなります。そのため、できるだけ早く使い切るのが理想です。特に高温多湿な環境での保管や長期未使用は避けるようにしましょう。メーカーにもよりますが、目安としては開封後6か月以内の使用が推奨されています。
主要メーカーのトナー使用期限
RICOH(リコー)製品の場合
リコーの純正トナーには、製造日が本体や箱に記載されている場合があります。ただし、明確な「使用期限」は表示されていないことが多く、目安としては製造からおよそ2年半以内に使用することが推奨されています。
リコー製品のトナーやドラムカートリッジの製造日を確認する方法は、製品の種類によって異なります。以下に主な確認方法をまとめます。
- 細長い筒型トナー: C810HやC830シリーズなどは、ラベル上部の数字列の先頭が製造年を示します。例えば「8」から記載されていれば2018年製造です。
- 四角い箱型トナーやドラムカートリッジ: モデルナンバー付近にある下3桁の数字が製造日を表します。例えば「MODEL M○○○-○○ 812」であれば2018年12月製造です。
- 古いシリーズ(C710など): 側面シールに記載された数字列から判断可能です。例えば「82」があれば2018年2月製造となります。
ロット番号の刻印:ロット番号がそのまま製造日を表示しているタイプや、頭文字だけで製造年を確認するタイプがあります。
EPSON(エプソン)製品の場合
エプソンのトナーには、外箱やラベルに使用期限が直接印字されていることがあります。製品によって異なりますが、製造から約2年半(30ヶ月)以内の使用が推奨されています。
- インク類: 箱の裏面や下部に「使用推奨期限」の文字と共に日付が記載されています。これは期限までに使用することが推奨される日付です。
- トナーや環境推進トナー: 白いシールに製造日が日付だけで記載されている場合が多いです。使用推奨期限と混同しやすいので注意が必要です。
- 感光体ユニット(例:LPC3K17): 箱の右下に製造日が刻印されています。
- アルファベットと数字の羅列: 一部ではバーコード付近に英数字が含まれている場合があり、製品によって数字とアルファベットの羅列が変わります。
下5桁で判別できる場合、左から西暦の1の位(1桁)、月(1桁)、日(2桁)となっているものがあります。月が1桁表示の時、10月はX、11月はY、12月はZと記載されます。
ハイフン+アルファベットと数字:ハイフンがある時は、その後の下6桁を確認します。「180722」の場合、「18」は製造年(2018年)、「07」は月、「22」は日を表します。
上記の下6桁にアルファベットが含まれていた場合、上から2桁が月を示す場合があります。2018年7月22日製造の場合は「07〇-○○2218」と表示されます。
Canon(キヤノン)製品の場合
キヤノン製品の多くには、製造年月日が外箱やラベルに明記されています。製造日から2年半が使用期限の目安とされており、記載位置は箱の側面や裏面に見られます。
「2023-06」などのシンプルな年月表示で、比較的確認しやすいのが特徴です。
キャノン製インクやトナーの製造日および使用推奨期限の確認方法を以下にまとめます。
- PFIシリーズ(PFI-102・PFI-106など): 側面や箱の裏、個別パッケージの裏面などに「使用推奨期限」が記載されています。
- 322・335トナー: 箱の右横に製造日の刻印があります。箱の正面側にある色名やバーコードのあるラベルから探すことができます。
- NPGシリーズ(45・46・67・71など): 製造日の記載はありませんが、一部の製品を除き、箱のどこかに製造年月日を含むロットナンバーが印字されています。
- その他トナー(418・316・509・527など): 箱の裏面に製造日が記載されています。
2008年以前の旧パッケージ品は、ロット番号で判別するものや使用期限が印字されている場合があります。ただし、品質劣化のリスクを考慮すると、可能な限り新しい製品の使用をお勧めします。
Xerox(ゼロックス)製品の場合
富士ゼロックス(現在は富士フイルム)のトナーは、製造日や使用推奨期限が明記されている製品が多く、ユーザーにとってわかりやすい設計です。使用期限は基本的に製造から2年を目安にされており、記載箇所は箱のラベル部や側面に多く見られます。
ゼロックスのトナーやドラムの使用推奨期限・製造日の確認方法を以下にまとめます。
- 推奨使用期限の記載: 多くの製品では、元箱の側面に「推奨使用期限」の文字と共に年/月/日が明記された刻印やバーコードラベルが貼られています。
- 製造年月日の記載: 一部の製品では、値札のような小さな白いシールに製造年月日が印字されています。8桁の数字で、最初の4桁が製造年、西暦の次の2桁が月、最後の2桁が日を表します。例として「20240208」であれば、2024年2月8日製造で、2026年2月までがメーカー推奨期限となります。
参考:ゼロックスのトナーやドラムの使用推奨期限や製造日の見方
NEC(エヌイーシー)製品の場合
NECのトナーは、箱や本体に製造日または使用推奨期限がはっきりと記載されているため、管理がしやすいのが特徴です。製造日からおよそ2年半以内の使用が基本とされています。記載箇所は「箱の開け口」や「側面中央」にあり、白いシールや印字が目印になります。
NECのトナーやドラムカートリッジの製造日および使用推奨期限の確認方法を以下にまとめます。
- 製造日の記載: NEC製品は箱に白いシールや刻印で製造年月日が記載されています。例えば、PR-L9100C-14は箱に白いシールが貼られ、PR-L9100C-35は箱側面中央部に刻印があります。PR-L5700C-16は箱の開け口に製造日が記載されています。
- 記載形式: 製造年月日は8桁または6桁の数字で表記され、最初の4桁が製造年(西暦)、次の2桁が月、最後の2桁が日を示します。例として「20220412」であれば、2022年4月12日製造です。
- 一部製品では記載がない場合もあり、その場合は購入時期やパッケージの状態から判断する必要があります。
トナーの正しい保管方法
温度と湿度
トナーの品質を保つうえで、温度と湿度の管理は非常に重要です。高温や直射日光を避け、15~25℃程度の室温で、湿度は40~60%程度に保つのが理想です。
特に湿気の多い場所では、トナーの微粒子が空気中の水分を吸収しやすくなります。吸着した水分が粒子同士を引き寄せ、時間とともに固まりやすくなるためです。一度固まると印刷不良やプリンターの故障につながる恐れがあるため、保管には注意が必要です。
水平で清潔な場所への保管
トナーはなるべく水平な状態で保管するようにしましょう。傾けて置くと、内部のトナーが偏ってしまい、使用時にムラが出る可能性があります。また、ホコリや汚れが付着しないよう、清潔な棚や保管庫での保管が望ましいです。トナーカートリッジにホコリが付着してしまった場合、見える範囲のホコリをブロワーの風で優しく吹き飛ばす、静電気防止ブラシ(または柔らかいブラシ)で優しく払うなどが有効です。
衝撃と磁気に注意
トナーは精密な印刷機器と組み合わせて使用されるため、落下や強い衝撃によって内部部品にダメージが生じることがあります。また、トナーカートリッジ内部には、プリンターの動作に必要な磁性体を含む部品が使用されていることがあるため、強い磁場にさらされると、内部のデータや機器の動作に影響を与える恐れがあります。加えて、静電気が発生するとトナー粉末の付着が不良になる可能性もあります。
スピーカーやカードリーダーなど、磁気を発する機器の近くには置かないようにしましょう。
使用期限切れトナーの対処法
期限切れトナーは売れる?
使用期限が切れたトナーでも、買取が可能なケースがあります。特に未開封で保存状態が良いものは、一定の価値が認められることが多いです。
トナー買取業者の中には、以下のような条件で期限切れトナーを引き取る場合があります。
- メーカー純正品であること(汎用品や再生品は買取不可のことが多い)
- 未開封であること(開封済みだとインク漏れや品質劣化のリスクがある)
- 保管状態が良好であること(外箱の破損や汚れが少ない方が査定額に期待できる)
ただし、使用期限切れのトナーは新品に比べて査定額が下がることが一般的です。また、メーカーや型番によっては買取不可となる場合もあるため、まずは専門業者に問い合わせてみるのがおすすめです。
もし買取が難しい場合でも、自治体の処分方法やリサイクルプログラムを活用することで、適切に処理できます。処分する前に、一度査定を依頼してみると良いでしょう。
使用できない場合の処分方法
期限切れで印刷に不具合が生じるなど、使用が困難な場合は、適切に処分する必要があります。自治体によって処分方法が異なりますが、以下のような分類になることが多いです。
- 家庭用:不燃ごみや有害ごみとして分別
- 事業用:産業廃棄物として業者に依頼
また、家電量販店やプリンターメーカーが提供している「リサイクル回収サービス」を利用するのも有効です。資源として有効活用できるため、環境にも配慮した方法です。
まとめ
トナーの使用期限は、印刷品質やプリンターの寿命に影響を与える重要な要素です。メーカーによって表示方法や目安の期間は異なるため、製品ごとに確認が必要です。未使用でも保管状況が悪ければ品質が落ちてしまうため、保管環境にも注意しましょう。
期限切れでも買取できるケースがある一方で、査定額が下がる可能性や印刷不良などもあります。不要になったトナーは、まずは買取査定を検討し、使わない場合は適切に処分することが大切です。